近江西国三十三所観音巡礼 (画像をクリックすると拡大されます)
第1回 湖南・湖西・湖北 一番〜十一番 平成24年11月2〜3日
| 今季一番の寒さとなった日に近江を回り始めることにした。2日は急な冷え込みに加え、小雨まで混じる天候となってしまった。 故障した膝は軽い痛みや違和感が残りまだ心配なので、荷を軽くし電車・バスを多用する1泊2日の行程。 |
| 初回は名神栗東ICに近い1番から大津に入り、大津からは湖西線に沿って湖北の木之本まで琵琶湖を時計回りに半周するコース。 |
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| 第一番 常楽寺 滋賀県甲賀郡石部町 | ||
| 2日JR岐阜駅を7時57分に発って、草津で東海道線からJR草津線に乗り換え、9時39分に甲賀郡の石部駅に到着。勇んでホームに降りようとしたら、スッテンコロリン!イテテッ!! なんと列車とホームの段差が30pほどもあり、踏み出した足は空を切り、階段を踏み外したようにホームに転げ落ちてしまった。全身打撲! 気を取り直して、湖南市のコミュニティバスに乗り込む。途中、石部高校の建物が目にとまった。 ここは滋賀県の南東部で、大津から東へ20qほどの所。 |
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| 石部駅 ホームへ転げ落ちた | 石部駅前 昔、東海道五十三次石部宿 | 石部高校 |
西寺(常楽寺のこと)バス停から200mで境内に。前日に電話で予約した納経帳を買求め、拝観する。紅葉の見ごろには少し早かったようだが、小雨にしっとり濡れた境内は古刹の味わいを深めたようだ。 《ご住職との対話》 私 「近江西国観音巡礼会は解散したとか? 各札所ではちゃんとご朱印をいただけるでしょうか?」 ご住職 「解散はしてないが、ずーっと寄合がない。 木之本の辺りでチョット難しいところがあるようだ」 私 「盛り上げていただかないと観音札所ファンとしては寂しいです」 ご住職 「三十三ケ所巡りの方は稀です。ここもほとんどが湖南三山巡りの方」 |
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| 常楽寺 良弁僧正の開山 | 本堂、三重塔 共に国宝 | 一人の境内 |
| 第二番 東門院守山寺 滋賀県守山市守山 | ||
| 東海道線を彦根方面に一旦戻って、守山駅下車。駅前から守山銀座商店街を抜けて、旧中山道に入ると宿場の面影が残った通りに出る。 その街道に面して守山寺はある。 ご住職が応対下さり、比叡山の鬼門避けの東門にあたる寺で、ここの門前から町が生まれた由をお聞きする。 |
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| 守山銀座商店街 | 中山道 守山宿 | 東門院守山寺 |
| 第三番 石山寺 滋賀県大津市石山寺 | ||
| 東海道線で守山から石山へ進み、京阪電車で石山寺駅に。京阪電車には色んなデザインの車両がある。パトカーの車両は面白いと思った、電車の屋根に赤い回転灯を付けたらキット最高だ。 駅から10分ほど歩いて門前に。この風情豊かな土産物店がいつまでもあることを願う。 | ||
| 京阪電車 石山寺駅にて | パトカー電車の側面 | 門前土産物店 滋賀県ではここだけ |
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開祖は良弁僧正。本尊の如意輪観音の胎内仏は聖徳太子持仏。多宝塔は源頼朝の寄進とされる。去年来たとき多宝塔は檜皮葺屋根の解体修理中だった。因みに岐阜県の日龍峰寺の多宝塔(重文)は頼朝の妻北条政子の寄進と伝わる。帰りに山を下って「くぐり岩」を発見。くぐって見ようかと思ったが、中でご婦人が難儀されておられるのを見て止めた。 《納経所にて》 寺の方「歩いて回っておられるのですか?」 私 「電車とバスと歩きです。でも歩きすぎて膝を痛めました。観音様にお参りして膝を痛めては間尺に合わないですね」 寺の方「アハハ、どうぞお気をつけて」 |
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| 石山寺 山門 | 国宝多宝塔と天記念物の硅灰石 |
くぐり岩 |
木々が紅葉し冬枯れを迎える中でも瑞々しい緑がある。不思議に思えた。 |
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| 第四番 高観音近松寺 滋賀県大津市逢坂 | ||
| 石山寺駅から京阪電車を乗り継いで上栄町下車、徒歩8分。長等(ながら)山の中腹に到着。石像の「乗り切り観音」が目に入る。初めて知る観音様だ。困難を”念彼観音力”で乗り切らせていただけるのであろうか。 近松門左衛門は若いころ近松(ごんしょう)寺で修行したことあり、ペンネームの姓はこの寺に因んだとされる。寺からの眺めは、マンションが眼前にある三井寺より良い。 | ||
| 乗り切り観音 | 近松寺 | 大津市街と琵琶湖 |
| 第五番 三井寺 滋賀県大津市園城寺町 | ||
| 三井寺は天台寺門宗の総本山で正式名は園城寺。本尊は国宝金堂におわす弥勒菩薩で、私が行くのは観音堂で如意輪観音がおわす。この観音堂だけでも正法寺の寺号があり、近江三十三ケ所は観音様を本尊とする寺を札所としていることから正法寺の案内が多い。三井寺、園城寺、正法寺とややこしいが、いただいたご朱印は”三井寺”だった。何回か来たことがあるが徳川家康寄進の山門を見た記憶がないので、今回見ようとしたが先を急いでいて忘れてしまった。 | ||
| 三井寺 百観音堂 | 観音堂 | 山を下り三井寺駅へ |
| 第六番 生源寺 滋賀県大津市坂本 | ||
| 急いだ訳はこの生源寺の納経所が4時半で閉まるからで、三井寺駅から坂本駅まで京阪電車で行った。別所駅から乗れば、山門の前を通ったはず。坂本駅は現代アートのを思わせる駅舎であるが、一言でいうと不思議な形だ。駅の前の延暦寺の横断幕を見ると「ようこそ石積みの門前町坂本へ」とあった。その時は気に止めなかったが、後で坂本の二つ手前の駅が穴太でこの地が城郭の石垣などを施工した技術集団「穴太衆(あのうしゅう)」の本拠地であることに気付いた。 さて、生源寺には無事4時前に着き、驚いたことに先客が二人いた。山門に伝教大師御生誕地とあった。 |
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| 京阪電車 坂本駅 | 石積みの門前町坂本 | 生源寺 |
初めて知ったが、最澄は比叡山の麓のこの坂本の生源寺の地で生まれた。境内に産湯井が残る。納経を終えるとお腹が空いてきた。住職に尋ねると「味は一番、電話は二番、店は角から三番目」と“鶴喜そば”という店を教えて下さる。創業300年、店は築130年、黄色いツワブキが咲いていた中庭もいい。無論そばも美味しかった。おかみさんから札所巡りのことを色々尋ねられた。茶店でコーヒーを飲みゆっくりJR湖西線比叡山坂本駅に。そして宿のある近江高島駅へ。 |
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| 伝教大師御産湯井 | 鶴喜そば本店 | JR比叡山坂本駅ホームから |
| 第七番 長谷寺 滋賀県高島市音羽494 | ||
| 2日目は7時半に宿を出発。1.5qを歩いて長谷寺に参詣し、電話でお願いしておいたとおり8時にご朱印をいただく。この辺りは比良山地の登山コースになっているようで、近江高島駅に戻る途中何組かの登山客に出会った。 尚、長谷寺は武蔵坊弁慶に縁があり、弁慶の末裔が寺の住持に就く習わしがあると案内本にある。 | ||
| 道しるべ | 長谷寺 | 登山客 |
近江高島駅前に「カリバーメルヘン広場」があり、ガリバー像と小人達の像がある。高島町の町おこしの施策で、山間にはガリバー青少年旅行村もある。電車を待っているとサイクリングのグループがトイレ休憩で駅にやってきた。私もanchorのバイクもってますよ話しかける。瀬田から出発してきたとのこと。一日で琵琶湖サイクルラインを一周するようだ。時間はまだ8時50分、一周193qある。瀬田からここまで約50q、何時に出発してきたのだろう、気にかかる。 |
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| ガリバーメルヘン広場 | 琵琶湖一周の面々 | |
| 第八番 酒波寺 滋賀県高島市今津町酒波 | ||
| 近江中庄の駅から寺まで3.6q。田圃の中を進み、やがて湖北バイパス沿いに柿畑を行く。広大な柿畑で、後で知ったが今津は富有柿の有名な産地。 富有柿といえば岐阜県だけの特産品だとばかり思っていた。 | ||
| 近江中庄駅から農道を行く | 左柿畑、右バイパス これを30分歩く | お化けミラー |
| やがてバイパスをくぐって県道に出ると、見慣れぬ鳥が車の上に止まっている。タカだ。飼い主に話を聞くと、まだ狩りには早いので訓練のためカラス退治をさせるという。恐る恐る近づいて写真を撮る。小一時間かかって酒波(さなみ)寺に到着。参道の奥深くに本堂があり、かつて大伽藍を有した面影がある。 | ||
| お化け柿の木、これ柿の木? | 訓練中のタカ | 酒波寺 本堂 |
| 第九番 大崎寺 滋賀県高島市マキノ町海津 | ||
| 近江中庄駅からマキノ駅へ、3分の乗車。マキノ駅から大崎寺までは3.8q。ここを2時間で折り返してこなければならない。 マキノの町から大崎の岬までの水辺の景観は国の重要文化的景観に選定されている。湖畔の道路を写真を撮りながら行くと往路は55分かかった。 | ||
| 大崎寺は岬の突先にある マキノから | 海津漁協 | 寒い日なのに |
水辺から長い石段を登りようやく境内に。あたふたとお参りをしご朱印をいただく。 |
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| 石段を登り切ると迎えて下さる | 大崎寺 | 立派な提灯、ビニールを被ってないのがいい |
| 第十番 大沢寺 滋賀県長浜市木之本町黒田 | ||
| マキノ駅から近江塩津駅へ。湖西線から北陸本線に乗り換え木之本駅に。実は一番で「難しい」と言われたのはこの十番。地図でも詳細な場所が特定できず、無住なのに納経所の場所も分からない。お寺というよりはこの観音堂は黒田の郷の方が当番で堂守をされていて、拝観とご朱印は当番の方に連絡をしないと得られない。湖北観光連盟に電話をしたら、連絡先を教えていただいたので事前に予約を入れた。 するとなんと木之本駅まで迎えに来て下さった。堂守当番は75歳の宮部さん。お堂を開け、厨子を開き御本尊千手十一面観音を拝観させていただいた。次の石道寺まで車で送って下さるといわれ、ご厚意に甘える。因みに大沢寺は行基が開山の曹洞宗のお寺。 |
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| 近江塩津駅 左、湖西線、右北陸本線 | 幻の寺、大沢寺 | 賤ヶ岳合戦で柴田軍が打ち鳴らした |
| 第十一番 石道寺 滋賀県長浜市木之本町石道 | ||
| 石道寺は4時に閉門となる。このために早朝から急いで回っていたわけだが、宮部さんに送っていただき3時過ぎに着くことができた。宮部さんは最近までボランティアで賤ヶ岳古戦場を中心に観光ガイドをされていて、色々説明を伺う。ちょっと寄ろうと案内されたのが木之本の町にある「戦国大河ふるさと博」会場。 賤ヶ岳の合戦関連の展示がされている。2014年のNHK大河ドラマが黒田官兵衛を取り上げ、地元はもり上がっているようだ。宮部さんの住まわれる黒田の郷が、官兵衛生誕の地だ。 | ||
| 石道寺 | 戦国大河ふるさと博 | 大河ドラマ 軍師官兵衛 |
堂守当番の宮部さんには恐れ入った。送迎に観光案内までして下さった。現役時代の話を伺っていて、どうやら会社間のつながりがあったようで意気投合したせいもある。当日は私の前に「湖北観音巡り」で東京から来られた方の応対をされ、宮部さんは昼をまだ摂ってないとのこと。私もコンビニおにぎり2個でお腹が空いてきたので、お礼をしようと食事をお誘いしだが、「お金を始末しろ」と諭された。 宮部さんと記念撮影をし帰路に。(私は緑内障と診断されてから日中屋外ではサングラスを常用している、紫外線がよくないので) |
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| 宮部さんと 石道寺にて | 琵琶湖の光芒 帰路、長浜付近で電車より | |