飛騨三十三観音霊場巡り  第二回 飛騨国府から神岡へ  平成24年4月12・13日         

3月に美濃三十三ケ所を無事終えたので。飛騨の札所を再開する。高山駅から2つ北に行った飛騨国府の駅からのスタートで、富山県境まではJR高山線にを利用しながら北上、そこからは濃飛バスのお世話になりながら神岡まで南下するコース。列車バスともに便が極めて少ないが、利用しないと宿のあるところにたどり着けない。入念にバス停の確認とタイムチャートを作成した。

10時半に飛騨国府の駅を出発、3.7qを歩んで安国寺に。安国寺は足利尊氏・直義が全国に設けた寺の一つで、国宝の経蔵内部を見たかったが留守のようで諦める。山門前に延命地蔵菩薩が祀られているが、左膝を少し上げ立ち上がろうとされている珍しい像だ。お参りに来た人の願いを聞いて、どれ一働きしてあげようといったお姿に見える。
高山線 飛騨国府駅    第十一番 安国寺 延命地蔵 さあ腰を上げようか、、?
 

安国寺の観音様はこちらも珍しい如意輪子安観世音菩薩像で、赤子を抱いておられる。こちらも拝観できず。
安国寺 本堂    経蔵 国宝
 

安国寺から林昌寺までは約6q、飛騨市古川町に入る。林昌寺でご朱印をお願いすると飛騨三十三ケ所の札所から降りられたとのこと。代わりの十二番札所はまだ決まっていないということであった。寺名のご朱印だけを頂く。
 高山市国府町から飛騨市古川町へ    元十二番 林昌寺
   

十二番から十三・十四番と飛騨古川の街に沿って進む。留守のお寺が続き予定より早く慈眼寺に到着。
第十三番 寿楽寺   第十四番 慈眼寺
 

慈眼寺、名前がいい。「慈眼視衆生」と言えば観音様で、慈しみの眼差しで我々を見守って下さる。
時間が余ったので近所のおばあさんと話をする。ここは袈裟丸という所で、昔々空から袈裟が舞い下りてきた伝説があり、その袈裟は慈眼寺の寺宝にもなっているとのこと。
慈眼寺も実質無住で、時間を持て余す。 
 

袈裟丸地区からは御嶽や乗鞍が眺められた。高山線の飛騨細江駅から坂上駅に向かう。
御嶽  おばあさんは乗鞍と教えてくれたが   乗鞍
 
   
坂上駅から宮川町の通りを歩き始めると、理髪店からご主人が出てこられお迎えいただいた。予約した宿のおかあさんも出てこられた。洞泉寺山門前では理髪店の奥さんが雪かきの最中。
第十五番 洞泉寺 雪かきをされるあきた理髪店の奥さん   洞泉寺本堂
 
      
洞泉寺も実質無住のお寺で、門前のあきた理髪店さんが納経受所になっている。宿の予約の電話を入れたあとに、谷口旅館のおかあさんが、秋田さんに納経紙の手配と本堂参詣のお願いをして下さった。列車の到着時間も告げてあったので、お二人が通りまで出てきて下さった訳である。お寺ではあきた理髪店の奥さんに大変お世話になりました。感謝!
奥さんの話では谷口旅館のおかあさんは最近はお客をあまりとらないとのこと、今回も札所巡りだから泊めてもらえたようだ。そのおかあさんは観音信仰が篤く、68歳の時に脚が動かなくなり困ったときに旅館の前にある世界聖誠会の社殿で四国八十八カ所を回るようお告げを受けたそうだ。心細く一人で大阪駅に降りると、親切な四国遍路のグループに出会い一番から六番までを一緒に回らせてもらい安堵したという。その後一人で回り脚ももとのように歩けるようになったが、全て観音様のお導きによるものと感謝されておられるとのこと。
私が「四国を回っていて観音様に出会った」と話したら、おかあさんは「そうそう観音様がお大師様をお働かせになって、あなたをお四国に呼んだのですよ」とおっしゃる。これは非常に意味深で、観音三十三化身十九説法の考えを述べられているように受け取った。観音経では「仏身を以て得度すべきものには、観世音菩薩即ち仏身を現じて為に説法し、、云々」という、『而以説法』という句が19回出てくる箇所にあたる。
宮川町 あきた理髪店さん   谷口旅館
 

この宮川で誕生した世界聖誠会という宗教団体を初めて知った。町の名前はこのあたりで川幅を増す宮川にあり、高山の町から続く川で分水嶺を越え富山県に入ると神通川に名前が変わる。コーヒーが飲みたくて通りに出た、コンビニを尋ねると車で20分の飛騨古川まで行かないとないとのこと。コンビニはおろか、自販機も見つけられなかった。  
世界聖誠会御神殿   宮川風景 川の流れを見て分水嶺をこえたことに気付きた
 

朝、坂上の駅から岐阜県最北のJR駅杉原駅へ。杉原駅から富山県境までは2qほどだ。
坂上駅   杉原駅
 

杉原駅から雪解け水を集めてゴウゴウと流れる宮川沿いに歩いて二十番札所へ。山の雪解け水は川というより山の斜面を濁流となって宮川に注いでいく。雪解け水がこんなにすさまじいとは初めて知った。
幾すじも濁流が宮川に注ぐ   富山県境近くの宮川 
 

久昌寺に着くと奥さんがお札は本堂にありますからと言って、迎えに来た病院のマイクロバスに乗って行かれた。こういう所で暮らすのは大変だとつくづく思った。
第二十番 久昌寺   第十九番 玄昌寺
 

玄昌寺の近くに「飛騨まんが王国」なる建物を見つけた。国内外の約4万冊が揃う漫画図書館や展望風呂に宿泊施設もあるという。杉原駅に戻るとJR関係の人達が冬を越した駅の点検をされていた。中の一人の方が、「昨日、高山駅でお見かけしましたよ。ご苦労様です」と声を掛けて下さる。「いや〜道楽で回っているだけですよ」と答える。
     
 

杉原駅から富山県境を越え猪谷駅に。駅から国道41号線を神岡方面に南下。二十一番まで6.4qを歩くが、途中に大きなトンネルが3つあった。大型トラックが通過すると吸い込まれそうになるので、壁側に身を寄せる。このトンネルは長さ758mの猪谷トンネルで、抜けると新国境橋があって再び岐阜県側に入る。
富山県猪谷駅   猪谷トンネル
 
 
雪解け水が滝となって

猪谷方面からは下りだと思っていたら標高差で150mほどの上りで、予定より15分以上遅れて金龍寺に到着。おばあさんが応対下さる。空になったペットボトルにおいしい水を入れていただいた。おばあさんは神岡鉱山が盛んだったころの話をして下さったた。「今は人が減ってもうだめだ、宇宙研究所とかができても村の衆は誰も働くことができない」とも。
第二十一番 金龍寺    
 

金龍寺前からバスで30分、神岡の町に着く。光円寺は二十五山という山の頂上近くにあり、江戸時代に山津波に飲まれた鉱山の人々の菩提を弔うため建立された。神岡の町から7qで標高差600m余りを登る必要がある。車が通れる細い道があるが、恐らく誰も通らないであろう。ということで安全のためタクシーで行った。
光円寺も実質無住で、お堂には上がれたものの楽しみにしていた阿弥陀二十五菩薩像は拝観できなかった。因みに山の名はこの二十五菩薩に由来する。この辺りはイタイイタイ病の原因となった旧神岡鉱山の跡地で、地図上で湖かと思ったのは廃鉱から
出る水の中の金属を石灰で沈殿させる池であった。
第十七番 光円寺  標高は1000m近い   石灰でカドミウムなどを沈殿させるという
 

タクシーで円城寺に着いた。納経帳のお札を探していると、ジャージ姿で池を掃除していた人が瑞岸寺で受けるよう教えてくれた。この方が住職で、前の瑞岸寺の住職。お堂を開けて頂いた。
第二十二番 円城寺    円城寺観音堂 
 

円城寺から300mで瑞岸寺に。先の住職の御子息が今は住職で、丁寧に応対下さる。
第二十七番 瑞岸寺    わらしこ地蔵
 

道の駅「スカイドーム神岡」に15時過ぎに入ってようやく昼食をとる。スパーカミオカンデ関連の展示もあるが難しい。神岡の町を抜けて濃飛バス神岡営業所へ。
道の駅 スカイドーム神岡    神岡の町中を音を立てて流れる雪解け水
 
 
飛騨古川駅 所用のため一旦岐阜に帰る 


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