第十回 2004年5月22〜23日 第四十六番〜第五十三番

5月22日
しおかぜ1号7時42分児島発、10時05分松山着。
『ひょいと四国へ 晴れている』とは宇品から四国に渡っ
た山頭火の句。当日の四国松山はうす曇り。

JR松山駅から伊予鉄の松山市駅まで市電に乗る。バス
の時間まで間があり、松山市駅の裏の正宗寺に正岡子
規の生家を模した記念館『子規堂』に立ち寄る。
    子規堂に『子規と野球の碑』がある。
    『正岡子規は、わが国野球草創期に選手として活躍。
    明治二十年代 はじめて松山の地にこれを伝えた。
    最も早くベースボールの技術、規則を訳述、解説し、
    、、「野球」の名づけ親と称される、、、云々』
    子規の本名は”のぼる”で、それに掛けて”野球”と名
    づけたといわれる。

第四十六番 浄瑠璃寺

11時10分にバスに乗り浄瑠璃寺前のバス停に着く。
昼食は天むすで車中で済ます。
12時に歩行開始。といっても100m程で46番札所に。
     『命の水を下さる竜頭観音』と説明にある。
     その水を小さな柄杓で受けて、ありがたく頂く。

      『南無観世音 おん手したたる 水のひとすじ』
                         山頭火
第四十七番 八坂寺

四十六番札所から極めて近い、1kmもない。
ありがたい。


     ガイドブックによると八坂寺は四国遍路の元祖と
     いわれる衛門三郎の屋敷跡だそうだ。
大きな花弁の花が風にそよいでいる。
    一級河川の「重信川」を渡る。橋の上で振り返ると
    前回訪れ見覚えのある石鎚連峰の山影が見える。
    この山並みを撮っていると、なんと菅笠が風にあお
    られ宙に舞って、川の中州に飛ばされてしまった。
    「アーッ!」と声を発したのは俄か遍路ではなく、
    通り去った車中の人。
    『同行二人』のお印のある笠だ、拾わねばバチが当
    たる。
橋を渡り、河川敷のパブリックのゴルフコースの一番
ティーグランドの横をゴルファーの視線を浴びながら
通り抜け、川原に下りる。
泥沼に足をとられ、葦をかき分け、浅瀬の飛び石を伝い
ようやく笠(写真中央下)を拾い上げる。
     第四十八番 西林寺

    川筋の道より低いところにお寺がある。
    途中で大師ゆかりの清水が湧く『杖の渕』に立ち寄り
    お水を頂こうかと考えていたが、菅笠のハプニングで
    時間を費やし省略。
第四十九番 浄土寺

西林寺から3Km余りの道のり。
空也上人ゆかりのお寺で、念仏「南無阿弥陀仏」を
あらわす仏六体を口から出す有名な『空也上人像』
がある。
しかし、拝見できない。

    いろんな遍路道を通ったが、なんと墓地を通り抜け
    ていく。
浄土寺から30分程歩いて、50番札所に到着。
この辺りは松山市街に近く、境内の一角からは
松山城も遠望できる。
第五十番 繁多寺

わたしもおまいりする。
第五十一番 石手寺

道を急いで4時半過ぎに到着。参道は回廊の一角の
ようで、両側にみやげ物店が並ぶ。

帰りのことになるが、右奥の茶店でソフトクリームを
食べていたら、女将に名物の焼餅をお接待して頂く。
仁王門は鎌倉時代末期の建立で国宝。
まじまじと仁王様

運慶作とも伝えられる
『見あぐれば 塔の高さよ 秋の空』
        子規
幾千万本の香がたかれたのだろう

古刹に人影絶え 紫煙たゆたう

     松山市立の『子規記念博物館』、時間が遅く中に
     入れず。

           『心よき 青葉の風や旅姿』
                       子規
道後温泉では有名な『道後温泉本館』に入る。明治27
年に建てられた本館は国の重要文化財に指定され、
一番風呂の合図の『刻太鼓』は、『日本の音風景百選』
に選定されている。

    一番上等な『霊の湯三階個室』は待ち時間が要ると
    のことで『霊の湯二階席』のコースを選ぶ、980円也。

    中に入ると、アンティックな雰囲気がとってもいい。

温泉は俄か遍路には熱すぎて、ゆっくり入っていられ
なかった。

湯上りには輪島塗の天目台と砥部焼の湯呑でのお茶
と煎餅が出る。お茶もアツ〜イ、ジュース130円也を買う。

本館を出て、早くも涼む気分で温泉の商店街をぶらぶら
する。砥部焼の店に入り土産を買う。
    5月23日

    すこし寝坊をして8時近くにホテルを出発。
    今回番外の目当ての『一草庵』に向かう。松山市街
    勝山通りを行く。
一草庵は、晩年に死期を悟った山頭火が松山に移り
結んだ庵だ。
なんとつつましやかで静かな所だろう。
昭和15年10月没 享年58歳

猫の額ほどの庭に『鉄鉢の中にも霰』等の句碑が立
つ。
    一草庵をあとに松山城を眺めながら、先ずは西に進み
    三津浜港方面を目指す。五十二番札所までは10Km
    程ある。

    郊外に出て国道437号をトボトボ歩いていると、婦人が
    自転車から降りて、『お接待させて下さい』と現金120円
    を頂く。初めて現金のお接待に戸惑う。
    あり合せの小銭を頂いたものと思い、120円を握りしめ
    しばらく歩いてから、120円の意味に気づく。
    『自販機で冷たいものでも、、、』というお心なのだ。

三津浜付近から北上し、小山を登り参道に入る。

山頭火の句碑がある。太山寺で詠んだという。

    『もりもり もりあがる 雲へ あゆむ』


  南無観世音菩薩 
  具一切功徳 
  慈眼視衆生 
  福聚海無量 
  是故応頂礼 
第五十二番 太山寺

参道入り口から急な山道を10分あまり、重文の
仁王門に到着。


    奥の本堂は鎌倉時代の建造で国宝。
    御本尊は十一面観世音菩薩。
    その昔、大分の真野という長者が沖で遭難しかけた
    時に、信仰していた十一面観音に助けられ、お礼に
    寺を創建したという。
第五十三番 円明寺
太山寺から3Kmほどの距離にある。

途中でタクシーから降りた婦人の遍路さんに、お賽銭
にでも使って下さいと現金300円をお接待される。
ご主人は歩いて回られているとのこと。受け取ったもの
の、完全な”歩き”でない俄か遍路は後味が悪い。
これからは辞退することにしよう。

お賽銭は自分のお金でないとご利益がない。
    大師堂奥に『キリシタン灯ろう』なるものがある。
    立札の説明によると『合掌するマリア観音とおぼしき像
    が刻まれ、隠れキリシタンの信仰に使われたとの
    説もある』、そうだ。

    すぐ近くのJRの伊予和気駅まで歩いていき、帰路に
    着いた。

    現金のお接待、120円は自分とは別にお賽銭をあげ、
    頂いた方の家内安全をお祈りした。300円はまだ所持
    している。

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