第十二回 2004年7月3日 第六十四番〜第六十番


7月2日金曜夜に愛媛県西条市の湯之谷温泉に泊。
ここの温泉は近所の人達も入浴にくるが、俄か遍路に
とって湯は我慢くらべのように熱かった。

明けて3日は大阪から来られた通し打ちのお遍路さん
と朝食を共にする。室戸で台風4号に、足摺で台風6号
にあわれたという。

7時30分に宿を出発、今回は64番から60番へと進む
逆打ち。 60番は八十八ヶ所中一番の難所ともいわれ
る横峰寺で、石鎚山の中腹にある。
    第六十四番 前神寺

    宿から10分も歩かないうちに静かな境内に着いた。
    前神寺は西日本の最高峰石鎚山(1997m)の登り
    口近くにある。7月1日から10日までが『お山開き』に
    あたるためか五色の幕が張ってある。

次の64番までは45分程の距離、国道11号線を西に
進む。8時を少し回ったばかりだが、日差しがきつく感
じられる。

まだ朝のコーヒーを飲んでいないことを思い出し、喫茶
店を見つけアイスコーヒーを、、、。

    第六十三番 吉祥寺

    ご本尊は八十八ヶ所ではここだけの毘沙門天。
    石の穴に金剛杖が通れば願い事が叶うといわれる
    成就石や、台座の下をぬけるとイイことがありそうな
    『くぐり吉祥天女』という”おまけ”がうれしいお寺。

    寺宝の『マリア観音』を拝むのを楽しみにしていたが、
    秘仏ということで拝観できず。


伊予小松の街をぬける。遠くに石鎚連峰が見える。

コンビニでお昼のおにぎり三個とペットボトルの水と
凍らせたお茶を買う。
    第六十二番 宝寿寺

    63番からは1.5kmの距離にある。御本尊は安産の
    観音様と信仰をあつめる十一面観世音菩薩。





第六十一番 香園寺

62番からは2Kmとこれもありがたい距離。
境内に入ると『顕彰慰霊塔』の観音像が目に留まった。

その左奥に山頭火の句碑が二つ並ぶ。
  『南無観世音 おん手したたる 水の一すぢ』
  『秋の夜の 護摩の ほのほの燃えさかるなり』
    『顕彰慰霊塔』は太平洋戦争中に特攻隊や国土防衛
    の空戦等で大空に散華した逓信省愛媛航空機乗員
    養成所出身者の霊を慰めるために建てられたと碑文
    にある。
    観音様の御手には飛行兵が抱かれている。
香園寺の本堂は堂々とした近代的な建物だ。

    61番から60番横峰寺までは10kmある。標高およそ
    750mにある横峰寺への上り口は大谷池に沿った緩
    やかな舗装路で、出だしは元気に進む。

池を越えてしばらく行くと、61番香園寺の奥の院があり
この辺りから段々と上りがきつくなる。近くに東屋を見つ
け休憩。時刻は11時、もうしっかりと汗をかいた。
ここはお遍路の野宿に使われるようで、トイレットペーパ
ーや毛布などが整理して置かれていた。

    東屋からしばらくいくと『横峰寺』の道標があり、深い
    山道に入っていく。

約2kmの山道を1時間余り登ると休憩所があった。
もう引き返そうかと思ったほど疲れ果ていたので、
これぞお大師様のお陰と大休止。
とにかく大汗で、首に掛けていた数珠も輪袈裟もそし
て法衣までも脱ぎ去った。20分程横になりようやくと
おにぎり2個を食べ、再び横になって休む。
水はペットボトルの5分の1程になってしまった。お茶
は残り3分の1ほどに。
45分の休息をとって何とか元気を回復する。


    休憩所から暫らくは比較的平坦で、見晴らしのよい所
    で写真を撮るゆとりもあった。途中で団体のお遍路さん
    と出会う、年配の方が多い。60番から61番への下りで
    の遍路道体験という。暑いのに大丈夫かなと他人を気
    遣う余裕もその時はあった。
    標高4〜500m付近でアップダウンを繰り返しながら
    進む。
    山の遍路道には『あと少し、頑張りましょう』といった励
    ましの札が所々の枝に下げてある。ここでは『汗を流
    し、心を洗いましょう』というような札を2,3見かける。
    これだけ汗をかけば、俄か遍路の心はずいぶんきれい
    になったはず、、、。

    残り2km付近から再び急な上り道が続く、最後の上り
    を頑張る。
   
が、息はあがり、汗はあふれ、とにかく熱い。額に手を
やると高熱におかされたかのようで、こぶしで頭を叩い
てもボ〜ンと他人の頭のようだ。菅笠も熱がこもり被っ
ておられない。水も飲み干した。
横峰寺の近くになってようやくと車道に出たが、まっす
ぐ歩けない情けないありさま。
3時15分に境内に着くや自販機で冷たいお茶や缶コー
ヒーを立て続けに4本飲んだ。清めの水を頭にかけて、
休憩所で横になり、15分程してようやく人心地ついた。
お寺の方から缶ジュースとゼリーのお接待もお受けする。

一人で遍路道を帰るのは危険で、今回の予定を途中で
ギブアップ。納経所に立ち寄られた松山の菅さんにお願
いし、快く伊予小松駅まで車で送って頂く。感謝!

この日、東予地方の最高気温は33.8度

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