第十四回 2004年8月1日 第六十七番〜第七十番


児島発7時35分、観音寺駅着8時56分。
前日の台風10号の影響で予定していた特急は運休で、
マリンライナーと普通を乗り継ぎ観音寺駅着。今回から
香川県をまわる。

曇り一時雨の天気予報であったが雨雲が厚い。菅笠に
ビニールカバーをかけ、100円ショップで買ったポンチョを
まとって、雨の観音寺の街を歩き始める。



    時々雨脚が速くなり、脚がしぶる。
    30分ほど歩いて首筋が重い。背中にたらしたポン
    チョのフードに雨が溜まっているようで、栄養ドリンク
    を買いに立ち寄った薬局の方にフードの先を水が抜
    けるようはさみで切ってもらった。

    やがてつぶてのような激しい雨となり、雷まで鳴り始
    めたので、たまらず空き家の軒下に避難した。
    午前10時10分
県道を折れて1km程の大興寺参道に入る。

雨が細くなってきた。
小ぬれの蓮が美しい。
    11時を過ぎて、大興寺山門前にようやくとたどり
    着いた。
    田が広がり林が叢れるところにある。人里にあるが
    古来変らぬ景観で、雨のせいか何か気のようなもの
    を感じる。
山門前から北をみると山々があり、厳かに雲が湧き
昇る。
    第六十七番 大興寺

    山門をくぐり小枝などが飛散した石段を登っていくと本堂
    が見えてくる。 暗い堂内に献灯の炎が紅く揺らぐ。

    六十六番の雲辺寺からは12kmある、今回の観音寺
    駅からは8km。
    遍路のガイドブックから外れて歩くときは、インターネット
    からダウンロードした地図がたよりだ。 国土地理院の
    ホームページに試験公開中の地図閲覧サービスがあり
    2万5千分1地図が得られる。
11時半に大興寺を発って、溜池の間を縫って北上。
おいしいうどん屋でもあればと思いながら歩いていくと、
手打ち蕎麦の店を発見。 讃岐で蕎麦もよかろうと、天
ざる大盛り1900円也を昼食にとる。
座敷席を勧められるが、下着までビショ濡れでイス席
に座る。漬物の小鉢をお接待で頂く。

30分程休んで歩行再開。11号線に出て財田(サイタ)
川を渡ると本山寺の五重塔が見える。
13時30分、雨降りやまず。
    第七十番 本山寺

    本堂は国宝、弘法大師一夜建立の伝説があるが、
    鎌倉時代に建替えられたもの。
    どういう訳か明治四十三年落成の五重塔の方が
    魅力を感じる。

    ご本尊は馬頭観世音菩薩

濁流となった財田川にそって観音寺方面に下る。
たくさんの鷺の仲間が川辺にいる、頭部が黄色い
やや小ぶりの鳥が多い。
帰ってから調べるとアマサギらしい。


この時は、台風10号がもたらした豪雨で徳島や高知
で多くの被害や犠牲者の出た惨事を俄か遍路は知ら
ず、帰って夜のテレビで知った次第。
    3時前に喫茶店が行く手に現れ、休憩。
    衣類が濡れているためソファー席は遠慮して、
    ビニール張りのイスのカウンター席に座る。
    女主人より新品のタオルをお接待で頂く。

    片時もやむ事がなかった雨が喫茶店を出ると
    ようやくあがっていた。
第六十八番 神恵院

財田川の河口近くに琴弾(ことひき)山があり、その
中腹の境内に六十八番と六十九番が同居する。
神恵院は建てかえられ、外観はコンクリートの立方
体で中央の四角い穴から階段を上がるとお寺らしき
空間に出る、不思議な建物。 箱の中にお寺がある
感じ。


    第六十九番 観音寺

    一方、お隣の観音寺の本堂は重要文化財に指定
    されている建物。
    ご本尊はお気に入りの聖観世音菩薩。

    観光客らしき婦人二人が立ち寄って、さっと帰った。
納経所で写真をお願いすると、折角だから表で
撮りましょうと、二寺の納経所を示す記念すべき
看板の前で撮って頂いた。
『ここ、押すんですね』、『そうです、しばらく押して
いて下さい』といったやり取りの最中にシャッターが
切られた。 いつもの顔と違うようだ。

観音寺駅に向かい帰路に着く。
4時35分観音寺発、5時36分児島帰着。

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