第十五回 2004年8月6・7日 第七十一番〜第八十番

8月6日。7時03分児島発、7時54分詫間着。

詫間は坂出より20Kmほど西南にある瀬戸内海に
面した町で港も抱える。海とは反対の東の山間部に
に向かう。
香川の南西部は火山の溶岩による円錐状の小山や
もっこり丸い山々が散在し、讃岐地方独特の景観が
見られる。

どんより曇った天気で大変蒸し暑い。
    参道の入り口から五百数十段の石段を登る。大粒の
    汗が吹き出る。途中に開店前の茶店があり、腰をおろ
    し一休み。午前9時。

第七十一番 弥谷寺

案外と楽に山門に着いたと思ったら、ここからまた石段
が続く。


    弥谷寺の『磨崖仏』。

    県指定史跡の立札によると、約12mの岩壁に阿弥陀
    如来(中央高さ1m)・観音菩薩(左0.9m)・勢至菩薩
    (右同)が南無阿弥陀仏の名号と共に彫られており、
    平安から鎌倉時代のものらしい。

山を下って行くと池があり、間近に大きなアオサギが
いて、逃げずに写真におさまってくれた。
    第七十三番 出釈迦寺

    曇り空は消え、うだるような暑さになった。11時到着。
    門前に100円茶屋があり、かき氷を食べる。


第七十二番 曼荼羅寺

73番から数百mのところにある。お寺の創建は推古
四年(596年)と古い。

73→72→74番と善通寺の町を目指す道順となり、
ピッチを上げていく。

    第七十四番 甲山寺

    12時に到着。弘法大師が満濃池築造のため赴任した
    おりに薬師如来像を刻んで工事の成功を祈願し、工事
    完了の後に堂塔が建立されたという。


町外れの甲山寺から善通寺の中心に向かって歩んで
いく。小さな八百屋の自販機で冷たい飲み物を買うと、
イスを勧められ小休止。ぶどうをお接待にと差し出され
るが、先を急ぐからとご辞退。予定より1時間も遅れて
いる。

暫らく行くと、カタパンの暖簾、、、カタパンって何だろう
とのぞきこむと、奥から店番の女性が微笑む。
    第七十五番 善通寺

    有名な弘法大師生誕の地。四国一の規模を誇るお寺。
    大師の父親の名をとって寺名とされる。

    本堂の前にくると、『奉納 播州赤穂 大石良雄』の真
    新しい石碑が目に入る。 不思議に思って見回すと
    立札があった。
    あの大石内蔵助が大師の偉徳を偲び、姓に因んで
    手洗いの大石を献納したと伝わるそうだ。

    この善通寺は以前に来たことがある。大好きな戒壇
    廻りも今回は時間の都合でパス。
第七十六番 金倉寺

善通寺から門前町を通り多度津方面に向かう。1時半
に昼食をとる。食後のアイスコーヒーも飲んで大休止。

この日は宇多津の78番までの予定であったが、5時
までにとても着けないので、ゆっくり行くことにした。

14時半、金倉寺到着。明治時代に乃木将軍がこの寺
の客殿に四年間寄宿した話が伝わる。

    珍しいものがあった。本堂の向背の軒に滑車があり、
    大きな数珠がつるしてある。
    これを引くとこぶし大の木の数珠玉が落ちてきて、
    カタカタ・カタカタと小気味よい音が響く。大変面白い。
第七十七番 道隆寺

14時50分に金倉寺を発って、16時15分に多度津町
の道隆寺に到着。約5kmの道程だが、途中の喫茶店
で宇治ミルク金時を食べて大休止。
代金を払おうとすると、居合わせた常連と思しきお客の
お接待にあずかる。

道隆寺のご本尊は薬師如来だが、門を入ると全国の観
音霊場に因んだ観音立像が並んで迎えて下さる。

    納経所で今日はどこからと尋ねられたので、詫間
    からと答えるとヤクルトとお菓子を頂いた。
    ありがたく、うれしく、記念撮影。

    俄か遍路の菅笠は扱いが悪く、所々ガムテープで
    補修してある。
この日は丸亀城を見て終わることとした。5時40分着。

高さ60mの石垣の描く線は美しく、『扇の勾配』と呼
ばれるそうで、一見しようと立ち寄る。近くでは茂った
木々に遮られ石垣がよく見えなかった。

6時過ぎに坂出で会社のAさんと飲む約束をしてある。
JR丸亀駅に向かう。電車に乗ると『扇の勾配』を彷彿
させる石垣がよく見えた。


    6時に坂出に入る予定でスタートしたが、丸亀で頓挫。
    飲む約束も、宿の予約も坂出にしてあった。
    Aさんは倉敷の同じ職場の人で、坂出市の加茂町から
    瀬戸大橋を渡って通勤されている。

    約束の時間に20分遅れて坂出駅でAさんと合流、倉を
    改築した炉辺焼きのいい店に案内して頂く。
    脱水症状で飲んだら生中一杯で、アルコールが回って
    しまった。

    Aさんが地元の81・82番は難所だと力説するので、
    軟弱ながら次回は車で案内のお接待をということに
    なった。
第七十八番 郷照寺

8月7日。 坂出郊外の宿から宇多津へ30分ほど戻る
かたちになった。
朝から日差しがきつい。

ご本尊は阿弥陀如来。
    涼しげに観音様が立つ。
    その下に万体観音を安置した洞窟がある。
    あまり気味のよいものでなかった。

78番から79番までは7kmほどで、県道33号で再び
坂出近くに戻り旧遍路道を行く。 この遍路道は坂出
の商店街を抜けていく道で、特にアーケード街は店の
エアコンの冷気も流れ出て快適なコース。
    八十場(やそば)の高照院参道入り口にところてんの
    店がある。名水『やそば水』と『ところてん』、前夜Aさん
    に教えてもらう。
    ところてんは浪速味(黒蜜)、尾張味(三杯酢)といった
    ように何種類かの味が楽しめる。
    食べたのは尾張味の小盛り200円。コップの水はやそ
    ば水でこくのある味わい。 水は無料で、ペットボトルに
    持ち帰った。

    やそば水は古くは日本武尊が毒にあたったときに、こ
    の水を飲んで回復した伝説もある。
    弘法大師にも当然ゆかりがあり八十場は『矢蘇場』とも
    また『八十八』とも書いた由。
第七十九番 高照院

案内どおりに進むと境内の様子が違う。白峰宮に着い
たようだ。来た道に戻って地図を見て、間違いない。
近くのお宅で尋ねて、お宮の前が高照院と分かった。
お宮側から見るとお寺が分かりにくい。

    79番を打ち終え80番に向かう。坂出から高松に向か
    う県道33号を行って7km余りの距離。
    奇妙な形の山が見える、削ったのだろうか、自然にで
    きたのだろうか?  後で地図を見ると烏帽子山という
    らしい。

    途中、さぬきうどんの店に入りぶっかけ350円也を
    食べる。
第八十番 国分寺

坂出と高松の中間に近い所にある。 1時30分到着。
ご本尊は十一面千手観世音菩薩。本堂の格子から
中をのぞくと金色の1.5mぐらいの像が見える。
これはお前立ちで、本物は秘仏で5mを超える大きな
一木造り。
十一面観音には古くからこのような大作が多々あり、
遊行像の一種とされるようだ。国分寺のご本尊がそう
だったか分からないが、疫病などが流行した時に人里
を車に乗せてねり歩き、遠くからも拝めるように大きく
造った像が昔にあったという。

JRの国分駅に行き、頭に水を浴びせて正気に返る。
14時14分国府発、同52分児島帰着。

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