第八回 其の二 2004年3月28・29日 足摺〜第四十番、三十七番



3月28日

民宿で朝食を済ませ7時16分のバスに乗る。
土佐清水のバスセンターで乗換え宿毛まで2時間
余りのバスの旅。



    このバス路線は海沿いを行く。
    『岬めぐり』の歌が自然と口にでる。
    もうすぐ、土佐清水。
    
    土佐清水から宿毛までは1時間20分の乗車で、
    竜串海岸も見残し海岸も夢の中、9時半に宿毛駅
    に到着。
    三十九番札所まではバスか電車で行く予定でいた
    が、どちらも11時過ぎまでない。やむなくタクシー
    で。
第三十九番 延光寺

このお寺は神亀元年(724年)に行基が薬師如来を刻ん
で堂宇を建立したことに始まるという。
重文の梵鐘には赤亀が背に乗せて竜宮から持ち帰った
という伝説があるそうだ。
納経帳の中央に捺されるお寺の御朱印は、その赤亀で
あった。




    観音様にもお参り。観音様の奥に『目洗いの井戸』
    がある。
    弘法大師が錫杖で湧かせた井戸で、眼病に御利益
    があるという。さっそく目を洗い、ペットボトルにも頂
    き持ち帰る。

10時10分に三十九番を出発し、30Km先の次の札所
まで歩いていくことにした。
朝食が早かったので、11時頃にもう空腹になり、喫茶店
でサンドイッチを食べる。
宿毛の町までは国道56号線を行く。宿毛からは海沿い
に行くことにした。
途中ガソリンスタンドの人が『お遍路さん、道が違う』と
追っかけてきて教えてくれた、お礼を言って『峠越えしま
せん、海沿いに行きます』と説明。この道は誰も通らぬよ
うだ。1時半に再び空腹になり、レストランでカツカレーを
食べる。
『いっぱい食べて下さい』と超大盛りのご飯で、せっかく
のご好意とガンバッタが食べ切れなかった。
    
    春うらら、のどかな風景を進む。ここからがレインボ
    ーラインと手持ちの地図にある。いよいよ愛媛県に
    来た。
    左下の道路情報には『道路にあきかんを捨てたら
    いけん』とお国言葉で書いてある。

    ここで重要な情報『城辺まで18Km』を見落とす。
    時刻は15時近く、ここまで20Km歩いて来たつもり
    だから40番がある御荘の街までは残り約10Km
    余りの計算。
    御荘は城辺の約2Km先にあり標識ではこの道を
    いくとまだ20Km残していることになる。
まだ20Kmもあるとは知らず、上の写真の左手の浜に
出て、小休止。
海ものどかで心地よい。
海に面した集落では、津波は怖い。
春の海と姥桜。

この辺りから、どうもおかしい、、、失敗したようだと
気づく。
大小いくつもの岬と入り江の連続で、ジグザグの道ば
かり進んでいる。
いっこうに目的地の方向には、はかどらない。
歩いているのは自分一人、車さえほとんど通らない。
道理で宿毛でレインボーラインへの道を尋ねたときに
誰も知らなかった訳だ。
    中玉のあたり。比較的大きなジグザグ道。
    自販機にもお目にかかれない。
    黙々とジグザク路を急ぐ。
    お遍路のコースから外れているので、100円ショ
    ップで買った高知県全図だけがたより。これで見
    るとレインボーラインはつづら折になっていない。
    民宿に遅れる旨連絡をしようと携帯を取り出すと、
    圏外!
かなりピッチを上げて大浜あたりに来た。美しいので
休みながら写真を撮っていると、車が止まった。
ご婦人がおりてきて『美味しいてんぷらですよ』と袋を
くださる、中を見るとジャコ天。ありがたく頂戴する。
倉敷の寮まで持ち帰り、同僚と夕食時に美味しく頂く。
    大浜の峠に差し掛かる。やれやれ。
    実は右の桜に隠れたところにゴミの焼却場がある。
    愛媛県は何を考えているのだろう。レインボーライン
    は大変に景色がいい、観光資源化すべきと思う。
峠を越えて、民宿に電話を入れる。7時半頃の到着に
なりそうなことを伝えると、『もう食事の用意が済んでま
す、外で済まされても構いません』とつれない返事、
『すいません、なるべく早く行きますから』と詫びる。
たしか予約時には6時の到着と言っているので、自分
が悪い。
もう6時だ、一目散に峠を下る。犬を散歩させている少
女に所を訪ねると敦盛という、まだ7〜8Kmほどある。
車に乗せてもらおうと、後ろからきた車に頭を下げて
みる。スーッと通過、みじめな気分になる。他人を頼っ
てはいけないと反省。56号線まで出てタクシーを呼ぼ
うと決める。
    敦盛を過ぎ、岩水の辺りを小走りに急いでいると、
    軽のバンが10m程前に止まる。運転している人
    が手招きをしている。反省も忘れありがたく乗せて
    頂く。
    彼の方曰く、『自分は他人を乗せないことにして
    いる、人様の命を預かることはとても責任が重い。
    だから今まで他人を乗せたことがない。 でも、
    あなたが急いでおられる様子で、まだ観自在
    寺まではまだ遠いから』と。
    
    10分程で御荘の町に到着。暮れ方の風景が美しく



第四十番 観自在寺

3月29日
民宿からすぐの山門に来ると、7時前なのにもうお参り
を終えた団体の方達と行き交う。

昨夜はよく眠れなかった。バス通りに面した古い宿の
二階は大型車が通ると振動が伝わり、二度三度と寝入
りに失敗した。

    十二支の守り本尊がまつってある。
    俄か遍路の守護仏は中央におわす普賢菩薩。
右端には千手観音菩薩。子年の守り本尊。

写真右は境内におわす聖観音菩薩。

納経を済ませ宿の前の停留所から7時48分に宿毛行
きバスに乗る。宿毛の駅では電車の時間まで30分余り
時間がありコーヒーを飲もうと食堂にいく。奥から『オーイ
お遍路さん、こちらへどうぞ』と声が掛かる、見るとすっか
り出来上がった年配の二人組みが気炎を上げている。
辻さんとその友人にコーヒーとビールを接待頂く。辻さん
は弘法大師から観音十句、果ては水滸伝まで滔々と言
い及ばれた凄い御仁でした。

    第三十七番 岩本寺

    9時4分宿毛発、10時窪川着。窪川は宿毛と高知
    の中程にある静かな町だ。
    旅程の都合でとばした三十七番札所に参る。駅か
    ら1Km足らずの街中に山門がある。


こちらの御本尊は阿弥陀如来、観世音菩薩、不動明王、
薬師如来、地蔵菩薩の五体。
納経所で訳を伺うと、吸収合併を重ねた結果とのこと。

また、本堂の格子天井のはめ絵は、全国から公募され
たもので600枚近くあるそうだ。
これも珍しい、境内に犬が飼われてる。
ヒロ君という。

光背のある聖観音像も珍しい。

右は仏足跡。仏像が作られるようになるまで、お釈迦
様の足跡を彫って礼拝されてきたそうで、これはインド
の最も古い足跡の模刻。合掌礼拝した手で身体の悪い
箇所を撫でると云々。俄か遍路は、その手を近頃めっき
り薄くなった頭部へ、、、。
    このお寺は千社札がいっぱい貼ってあって見ていて
    楽しい。殆どのお寺では貼るのは禁じられている。
    山門の左の柱の札には『夫婦仲良くお詣りに参りや
    した』とある、うらやましい限り。
12時前に窪川の駅をたち帰路に。

現役サラリーマンの遍路はあわただしい。金曜に前泊
し月曜は休暇を取っての岬巡りであった。 楽しかった
高知を打ち終え次からは愛媛県に。

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