近江西国三十三所観音巡礼 (画像をクリックすると拡大されます)
第2回 湖東 十二〜十四、十八〜二十二、二十八番 平成24年11月8〜9日
| 今回も寒く小雨まじりの天候となった。防寒対策と雨具の準備をしたらカメラを入れて8kgの荷物となった。長命寺808段、観音正寺440段、瓦屋寺1300段のキツイ石段も登りだけチャレンジした。石塔寺の158段を合わせると2706段となる。心配した膝も今のところ無事のようで、回復に自信が持てた。 |
| 岐阜県境に近い米原方面からスタートし、彦根、近江八幡、八日市と回る。東海道線と近江鉄道に比較的近い所を選んでいる。湖東には何故か聖徳太子開山とする古刹が多い。今回巡った中では長命寺、観音正寺、瓦屋寺、石塔寺がそうだ。中でも古参道を登った瓦屋寺は秀逸であった。珍しい所では空中飛行観音をご本尊とする松尾寺がとても面白かった。 |
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| 第十二番 観音寺 滋賀県米原市朝日 | ||
| 東海道線で岐阜県から滋賀県に入って2つ目の駅が近江長岡で、ここからバスで伊吹山の麓近くに行く。そこは本当にのどかな山里だ。山門、本堂、鐘楼は重文だが、まず風格のある常夜燈に惹かれた。 | ||
| 昭和を思わすスキー場の看板 近江長浜駅 | かすんでいるのが伊吹山 | 観音寺 常夜燈 |
山門をくぐると木々の奥深くお堂が見える。私の好きな景観だ。山里の朝の澄んだ空気の中、いいお堂の前に立つと本当に心地が良い。本堂と鐘楼の彫刻が素晴らしい。どういう訳か、鬼や龍や獅子の彫刻の眼は白く塗られている。と、一人で楽しんでいると、少し年かさの同じような風体の方が現れた。四日市の方で、近江三十三所を歩き繋がれるという。大沢寺の情報をお教えする。 |
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| 嬉しくなる眺め | 本堂、三重塔 共に国宝 | 本堂 邪鬼 |
| 第十三番 松尾寺 滋賀県米原市上丹生 | ||
| 近江長岡駅に戻って東海道線で次の醒ヶ井(さめがい)駅へ。醒ヶ井には鱒の養殖所があり、もうはるか昔小学校の遠足で来たことがある。養鱒所でバスを降り、少し山を登ると松尾寺。料理屋「醒ヶ井楼」の玄関脇を通って山門へ。「お参りの方ですか」と料理屋から若い女性が駆け出してきて、お堂を開け説明をして下さる。ご住職の奥さんだった。 | ||
| 醒ヶ井駅前 鱒がシンボルだ | 醒ヶ井養鱒所 | 川縁の山門 |
| 御本尊「空中飛行観音」は秘仏だが、それを模したお前立ちを拝観する。聖観音と十一面観音が雲に乗って飛来する珍しい形の像だ。今でも航空関係の人達の参詣が多いそうだ。内陣に掲げられたプロペラは、昭和10年に岐阜県にあった各務原飛行学校からの奉納。 養鱒所近くに霊仙寺というお堂がある。日本でただ一人、三蔵法師の称号を与えられた霊仙三蔵を偲んで建立されたものだ。この地で生まれ育った霊仙三蔵は、空海・最澄と同じ遣唐学僧として中国に渡り中国で生涯を終えるが、皇帝から三蔵法師の称号を与えられた高僧だ。初めて知った。 |
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| 松尾寺本堂 | 奉納プロペラ | 霊仙三蔵を祀る |
| 第十四番 北野寺 滋賀県彦根市馬場 | ||
| 北野寺は彦根城の西にあり彦根駅から2.5q。ここはバスの時間が合わず、タクシーとなった。往路だけタクシーの予定が、運転手さんが待っているからと帰路もタクシーとなった。ここで時間を稼がないと5時閉門の長命寺に間に合わない恐れがある。 銀杏黄葉があざやかな街中の落ち着いたお寺だ。本堂脇をふと見ると、石が座布団の上に乗りメモが置いてある。「べんずり様 早くおかえり下さい お待ち申しております 北野寺」と書いてある。どうやらおびんずる様が盗難にあわれた様子。 |
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| 北野寺 本堂 | 境内の銀杏 | 「べんずり様 早くおかえり下さい」 |
| 第二十番 善勝寺 滋賀県東近江市佐野 | ||
| 東海道線能登川駅下車。この駅の外観は能登川のシンボルの大水車をモチーフにしている。善勝寺は駅から1.2qだが、ウォーキングナビのとおりに行って、猪子山を縦断し、疲れた上に大幅に時間ロスをしてしまった。御本尊は住職一代に一度限りの御開帳がされるという。 | ||
| JR能登川駅 | 猪子山を縦断、ようやくお寺近くに | 善勝寺 |
| 第二十一番 長命寺 滋賀県近江八幡市長命寺町 | ||
| 近江八幡の駅からバスに揺られて25分。琵琶湖の畔で一息入れて、15時40分、808段の石段登り開始。前日にお寺の方に電話で伺うと本堂までの平均タイムは25分とのこと。膝に無理がないようゆっくり登る。しばらく登ると膝どころか、息切れが激しい。私のタイムもちょうど25分だった。 | ||
| 長命寺バス停付近 | 登って13分、本堂が見え始める | 西国三十一番でもある |
長命寺には数度参詣している。西国三十三ケ所を回った時もそうだったが、若いころ父母と一緒に来たことを懐かしく思い出す。暗くなる前に山を下りようと、16時30分車道を通って下山。 |
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| 本堂 三重塔井 | 三仏堂 鐘楼 | 境内から |
| 第十九番 観音正寺 滋賀県近江八幡市安土町石寺 | ||
| 観音正寺と次の瓦屋寺は交通の便が悪い。8時18分、JR安土駅から歩行開始。観音寺山の山道を登って行く予定で、登り口を通りがかりの婦人に確認すると、「石段も多く誰も通らなくて危ないから、林道を行った方がいい」と言われ、林道を行くことにした。うねうねと曲り、長い登り勾配で歩く林道もかなりキツイ。本堂前石段に到着したのは9時40分。林道だけで50分近く歩いたことになる。小休止をとって、300m440段の石段を登りようやく境内に。 | ||
| 安土駅 信長の像 | 目指すは左手観音寺山、標高432.5m | 440段 |
| 石段を登り切ると仁王と真っ赤な紅葉が眼に飛び込んできた。紅葉は仁王に立ち昇る火焔のようだ。お寺は標高365mのところにあり、眺めもよい。納経を済ますと雨が降り出した。11qの道をショートカットし、山から山へ次の瓦屋寺まで5.5q歩くつもりであったが雨となっては難しい。ここで中断しようかと迷ったが、車で来られた方に便乗をお願いすると近くまで送って下さるという。便乗の施主は地元のご夫婦で、奥さんが8年前に大病を患いどうにか回復しつつあるので、観音様にお礼に来ているとのこと。 | ||
| 火焔に立つ仁王 | 観音正寺 | 境内から鈴鹿山系方向 |
| 第十八番 瓦屋寺 滋賀県東近江市建部瓦屋寺町 | ||
| 瓦屋寺へは古い参道を行こうと決めていた。ご夫婦には古参道入口に近いと思われるところで下してもらった。近くの作業小屋の軒下でポンチョを取り出し、現在地と地図を確認した。どうやらまだかなり遠いようだが、ナビでも拾えず道筋が分からない。(八日市市が東近江市に変わっているのを知らなかったため) 小屋の中で物音がするのに気づき、中をのぞくとご老人がいらした。道を尋ねると地図を書いて下さった。結局、「うん、まだ遠いから送ってやるよ」と参道入口まで軽トラで送って下さった。 ご夫婦とご老人の合力を得て、なんとか古参道にたどり着いた。小雨の中、ポンチョを被り苔むした古い石段を登り始める。 |
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| 老人が送ってきて下さった農道 | 古参道入口 | 聖徳太子御腰掛石の碑がある |
最初はなだらかだが登るにつれて勾配と段差がきつくなり、後半は写真どころではなく五段十段と登っては息継ぎをする始末。40分近くかかって1300段を登り切り、標高300mの境内に着いた。雨も上がった。 |
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| 石段中ほど、ここから更にキツクなる | 境内に着いた! | ああー観音様 |
| 「瓦屋寺」というのに本堂は「茅葺」。瓦屋寺の寺名は、聖徳太子が大阪四天王寺の瓦をここで焼いたことに由来するそうだ。茅葺ながら屹然と立つ本堂は息を飲むほど美しい。手入れが行き届いた庭の苔も綺麗だ。 | ||
| 瓦屋寺 本堂 | 本堂前庭 | 本堂 |
納経を済ませご朱印をいただきに庫裡へ伺うと。若い副住職が応対下さった。聞けば松島の瑞巌寺で修行の後、この寺に惚れ込んで来たのだという。確かにいいお寺だ、庫裡の柱組は唸るものがある。駐車場でコンビニおにぎりを食べ、車道で山を下っていると車が止まった。先ほどの副住職が、勤務を終えて帰宅するから八日市の駅まで送って下さるという。 |
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| 紫陽花の返り咲き、色まで残っている | 庫裡への道 | 庫裡内 駕籠があった |
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| 第二十八番 長福寺 滋賀県東近江市大森町 | ||
| 八日市駅から滋賀国立病院までバスで行こうと3番乗場で缶コーヒーを飲みながら待っていると、他のバスの運転手さんが1番乗場のバスが早く行くと親切に教えて下さる。病院でバスを降り、徒歩20分で長福寺。予定より1時間近く遅れているので、お参りもあわただしく次の札所へ。 | ||
| 近江鉄道八日市駅万葉の壁画 | 八日市駅前 | 長福寺 |
| 第二十二番 石塔寺 滋賀県東近江市石塔町 | |||
石塔寺までは4.5q約1時間の道のり。西の空のどんよりとした雲間から光芒が射す。東の空は夏雲のようだ。光芒の下の丘陵には八日市C.Cがあり、ゴルフコースを横目に金剛杖を突いて歩いていく。 |
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| 琵琶湖方面の光芒 | 東は夏の雲のようだ | 石塔寺境内入口 | |
拝観受付が納経所で、係りのご婦人とよもやま話をしながら休憩。そこから山門越しに見る景観は疲れを忘れさせるほどだ。ご婦人も今が一番美しいとおっしゃる。納経を済ませ石塔群を見学。 |
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| 今が一番美しい、、、。 | 石塔寺本堂 | 158段 | |
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予定を無事終えバス停でタバコを吸っていると、「もうバスも無いでしょう」と声を掛けて下さる人がいらした。お願いして桜川の駅まで車で送っていただく。実は桜川駅まで歩いて行くつもりであったが、日が暮れてしまうことを心配していたのだ。聞けば兵庫から来られたご兄弟で、五木寛之の百寺巡礼に触発されて、お寺の写真を撮りに回っておられるとのこと。百寺には入ってないが瓦屋寺をお勧めし、電話番号を手持ちの地図に書いてお渡しした。 今回は四組の方に車に乗せていただいた。よほど物欲しそうな顔をして歩いているのだろう、キット。 |
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| 石造三重塔と数万基の石塔 | 桜川駅前にて 電車45分待ち | |